2010年1月21日

会社にとって大切なもの

今から10年くらい前になるでしょうか。セミナーで講師から「会社が赤字のときにあなたならどうする?」という質問を受けて、私は「リストラします」と答えました。その当時、企業が大規模なリストラを行うというニュースがよく流れており、私は当然のように答えました。しかし、その講師からは、「それは間違っている」と否定されました。私はなぜ間違っているのかが解らず、セミナーの間ずっと間違いの理由を考えていたことがありました。

先日、経営学者の坂本光司さんが書いた「日本でいちばん大切にしたい会社」という本を読みました。その本のなかに会社経営とは「五人に対する使命と義務」を果たすための活動であると書かれていてました。

ここで書かれている五人に対する使命と義務とは

 

 一、社員とその家族を幸せにする

 二、外注先、下請企業の社員を幸せにする

 三、顧客を幸せにする

 四、地域社会を幸せにし、活性化させる

 五、自然に生まれる株主の幸せ

 

です。ここで私が注目したのは、顧客が一番目ではないことです。坂本光司さんは社員を一番目にあげる理由としてお客様を感動させるような商品を創ったり、サービスを提供したりしなければいけない当の社員が自分の所属する会社に対する不平や不満・不信の気持ちに満ちているようでは、ニコニコ顔でサービスを提供することなどできるわけがないと書かれています。私は10年前に解らなかった理由がこの文章ではっきりと答えが解りました。お客様に満足していただくには、まず社員が不満などの気持ちを持っていてはいけない。リストラするということは、社員の不信や不満を生むだけで、決して良い結果ならないと解りました。会社にとって何が大切なのかをもっと深く考えることが必要だと思いました。また、この本には五社の事例が載っていて大変勉強になる内容ですので、まだ読んだことのない方はぜひ読んでみてください。

 堀田

 

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.katozeirishi.jp/blog1/mt-tb.cgi/68